
麹って何者?ばい菌さんじゃなくて、いい子なんだよ
昨日ね、おじいさんが保存瓶のラベルを全部剥がして「すっきりした」と言ってたんですよ。困ったひとねぇ。でも、それくらい困ってしまうくらい、我が家の台所には麹が活躍する瓶がいっぱいあるんです。
麹というのはね、米やら豆やらの上に生える、小さな小さな菌なんです。むかし、母からこう教わったんですよ。「麹さんはね、食べ物を分解してくれる、いい子なんだよ。ばい菌さんとは違うんだよ」って。今でも、麹を見るたびにそれを思い出すんだよ。
麹の正体は『アスペルギルス・オリゼー』という菌で、このコが酵素をいっぱい出してくれるんです。酵素というのはね、つまり、食べ物を分解するための「はさみ」みたいなもの。この「はさみ」が、大豆のたんぱく質をぶつぶつにしてくれたり、お米のでんぷんを甘い糖に変えてくれたり、本当に働き者なんですよ。
塩麹・醤油麹・手前味噌の仕込み比較ガイド
| 項目 | 塩麹 | 醤油麹 | 手前味噌 |
|---|---|---|---|
| 主な材料 | 米麹・塩・水 | 米麹・醤油 | 大豆・米麹・塩 |
| 麹の量(目安) | 200g | 200g | 500g〜1kg |
| 塩の割合 | 麹の20〜23% | 不要(醤油で代用) | 大豆重量の10〜12% |
| 仕込み適温 | 常温(15〜25℃) | 常温(15〜25℃) | 冬季(5〜10℃)推奨 |
| 発酵・熟成期間 | 1〜2週間 | 1〜2週間 | 6〜12ヶ月 |
| 1日の作業時間 | 約15分 | 約10分 | 約2〜3時間(仕込み時) |
| かき混ぜ頻度 | 1日1回 | 1日1回 | 月1回(天地返し) |
| 保存方法 | 冷蔵庫(約6ヶ月) | 冷蔵庫(約3〜6ヶ月) | 冷暗所→完成後は冷蔵 |
| 失敗しにくい季節 | 通年 | 通年 | 秋冬(11〜2月) |
| 初心者難易度 | ★☆☆(簡単) | ★☆☆(簡単) | ★★☆(中級) |
| 主な使い方 | 漬け床・ドレッシング | 炒め物・たれ・漬け床 | 味噌汁・料理全般 |
| 発酵の目安サイン | とろみが出て甘い香り | 麹が醤油を吸い柔らかくなる | 表面が茶褐色になり香りが深まる |
各発酵食品の基本レシピと目安。温度・環境により発酵期間は前後します。
だから、塩麹で漬けたお肉は柔らかくなるし、醤油麹で漬けた野菜は旨味が濃くなる。これ、全部が麹さんの仕事なんです。そしてね、ここが大事なところだよ。発酵中に乳酸菌も一緒に増えるから、腸活にもなっちゃうんですよ。
秋冬は、麹仕込みのゴールデンシーズンです

季節の手仕事で一番大切なことはね、「旬を逃さない」ことなんです。梅は6月、野菜は夏、そして麹仕込みは秋冬。今がその時なんですよ。
気温が下がると、発酵がゆっくり進むんです。ゆっくりということは、じっくり、ていねいに、麹さんが働くということ。つまり、雑菌の繁殖が抑えられるから、カビの心配も少ないんだよ。むかしね、お母さんは必ず秋冬に仕込んでた。「台所が冷えて、発酵が上手くいく季節なんだよ」ってね。
理想的な仕込み温度は15~20℃。これくらいだと、2週間から1ヶ月で塩麹や醤油麹ができあがります。もしあなたのお家が暖かかったら、冷暗所にね、毛布をかぶせたり、新聞紙を巻いたり、工夫してみてください。
今ね、はるちゃんとけんちゃんが週末に来たとき、「おばあちゃん、麹ってどうやってできるの?」って聞かれたんです。小4のはるちゃんだからね、ちょっと難しい話もわかると思って、米粒を見せながら説明したんですよ。「ね、この白いのが麹。ばい菌じゃなくて、いい菌がいっぱい生えてるんだよ。これがね、大豆さんを分解するんだよ」ってね。けんちゃんは「わあ、綿みたい」って言ってた。そう、綿みたいなんですよ。
塩麹の作り方~毎日かき混ぜることが秘訣~
では、一番シンプルな塩麹から始めましょうか。
【塩麹の材料】
・乾燥麹(米麹):200g
・塩:60g(麹の30%)
・水:250ml
塩分の比率がね、大事なんですよ。30%というのは、むかしから言い伝わってきた比率なんです。塩辛すぎず、防腐力も十分。長野博さんが50年前の梅干しの塩味について「塩の塩味は丸い」とおっしゃってたでしょ。そういう、昔の塩加減って、本当に計算されてるんですよ。
【作り方の手順】
1. 麹をほぐします。乾燥麹は固く固まってることが多いんですよ。両手でね、ゴリゴリとほぐしていく。このとき、麹が粉になっちゃわないくらい、やさしくね。
2. きれいな瓶に、ほぐした麹を入れます。瓶は必ず煮沸消毒しておくこと。これ、失敗を防ぐ第一歩だよ。
3. 塩と水を混ぜて、麹に注ぎ入れます。全体がしっとり湿るまで、そっと混ぜてね。
4. ここからが大事。毎日1回、朝か夜に、瓶を揺すったり、スプーンでかき混ぜたりします。1週間もすると、麹がね、ちょっと透き通り始めるんです。そうなると、もうすぐ食べ頃。10日~2週間で、塩麹は完成しますよ。

完成のサイン:麹が柔らかくなって、麹の粒が崩れかけ、塩辛い香りが心地よく香る。冷蔵庫で保存すれば3~6ヶ月もちます。
醤油麹と手前味噌~時間をかけて育てる喜び~
塩麹ができたら、今度は醤油麹ですね。作り方は塩麹とほぼ同じなんですよ。
【醤油麹の材料】
・乾燥麹(米麹):200g
・醤油(塩分濃度16~18%のもの):250ml
塩麹と違うのはね、醤油を使うこと。醤油にはね、既に塩も麹も入ってるんです。だから、麹が分解されやすくて、もっと早くできあがるんですよ。1週間程度で食べられるようになります。毎日のかき混ぜはね、塩麹と同じ。これも忘れずにね。
そしてね、本当の本当に時間をかけたいなら、手前味噌の仕込みをしてみてください。これは、もう秋冬の大イベントなんですよ。
【手前味噌の材料】(できあがり量:約1kg)
・大豆(乾燥):500g
・塩:150g
・麹(塩麹で育てた麹を使うか、乾燥麹300g):300g相当
味噌ね、これは最低でも3ヶ月、本当のいい味噌は1年2年かけてゆっくり熟成するんです。むかしはね、お正月に仕込んで、翌年のお正月に食べるって言ってました。そのくらいね、時間をかけるんですよ。
【手前味噌の仕込み方】
1. 大豆を水で一晩戻します。ぷくぷくと膨らみますよ。
2. 次の日、圧力鍋で柔らかく煮ます。指でつぶせるくらいがいいんですよ。20~30分の加圧が目安です。
3. 大豆が熱いうちに、フォークでつぶします。完全になめらかにする必要はありません。ちょっと粒感が残るくらいが、おいしい味噌になるんですよ。
4. 麹と塩をね、よく混ぜておきます。塩が麹に満遍なくついて、白っぽくなる感じ。
5. 大豆が冷めたら、塩麹と合わせてね、混ぜます。とにかくね、手でぎゅぎゅっと押しつぶしながら混ぜて、粘り気が出るまで。
6. きれいな瓶に、ぎゅっぎゅっと押しつけながら詰めていきます。空気が入らないように。表面をラップで覆って、その上に、新聞紙か布をかぶせます。冷暗所(15℃前後)に保存してね。
3ヶ月で「新味噌」として食べられるようになりますが、本当の旨味が出るのは6ヶ月~1年後なんですよ。毎月ね、瓶を揺すって、発酵が進んでるか確認する。それがね、醍醐味なんです。
しずえさんの発酵・保存メモ
麹が育つ仕組みと、腸活への効果
ね、ここで科学的なお話をしますね。AIのしずえが調べたところでは、麹に含まれる酵素は消化を助け、腸内環境を整える乳酸菌の住みかになるんだそうです。
つまりね、塩麹や醤油麹を毎日食べていると、お腹の中で乳酸菌が増えやすくなるんですよ。「食欲の秋」に気をつけたい、ダイエット後の体重維持。約3人に2人がリバウンドを経験という調査もあるように、秋冬は体が栄養を貯めこもうとする季節なんです。そういうときにね、腸活をしておくと、体の代謝がよくなるんですよ。
カビが出ちゃったときの対処法
もしね、カビが出ちゃったら、慌てないでください。白いカビなら大丈夫なことが多いんです。上の部分だけ、そっと取り除いて、塩を少しふりかけておけば、また発酵が進んでいきます。
でも、緑のカビや黒いカビが出たら、ごめんなさい、その瓶はもう使えません。そういう失敗があっても、次に仕込むときの工夫ができるんですよ。「あ、あのときは毎日かき混ぜなかったんだ」「あのときは瓶がしっかり消毒できてなかったんだ」って。そういうふうに、失敗が先生になるんです。
失敗しないための5つのポイント
① 瓶の煮沸消毒は最低5分。できれば10分。
② 毎日、朝か夜に1回は必ずかき混ぜる。
③ 気温が高い季節は冷暗所に。毛布や新聞紙で温度を一定に保つ。
④ 白いカビが出たら塩で対処。でも、色付きのカビは廃棄。
⑤ 仕込む時期は秋冬が一番。春夏は初心者には難しい。
時間をかけて発酵させることでね、化学調味料には出せない、自然な旨味が出るんですよ。これがね、昔から人類が営んできた食の知恵なんです。
塩麹・醤油麹・手前味噌の保存と使い方
できあがった塩麹や醤油麹はね、冷蔵庫で保存します。開封後は3~6ヶ月、未開封なら常温でも1年くらいはもちますよ。
使い方はね、簡単。お肉に塗ってオーブンで焼くと、しっとり柔らかくなります。お魚にもいい。野菜を漬けると、ご飯がすすむ一品に。汁物に少しスプーン1杯入れると、深い旨味が出ます。
手前味噌はね、熟成期間によって使い方を変えるといいんですよ。3ヶ月の新味噌は、少し甘めで、色も薄い。そのまま味噌汁にしたり、田楽のタレにしたり。1年ものの色の濃い味噌は、煮込み料理の隠し味に。本当に、奥が深いんですよ。
おじいさんがね、「塩麹でお肉を漬けたやつ、本当に柔らかい。何か薬でも入ってるのか?」なんて言ってたんですよ。いいえ、薬じゃなくて、麹さんの酵素なんですってば。でもね、そういう感動が、この手仕事の醍醐味なんですよ。
手間に見えるかもしれません。毎日かき混ぜるのも、温度管理するのも。でも、ね、今日あたりからね、このお昼ごはんのあと、台所で麹をほぐしてみてください。あなたの手でね、食べ物を変えていく。その喜びってね、本当に大きいんですよ。
【参考にした情報】
- 「食欲の秋」に気をつけたい、ダイエット後の体重維持。約3人に2人がリバウンドを経験。リバウンドしない人の共通点は腸活? – ドクターズ ナチュラル レシピ(PR TIMES)
- 長野博 50年前の

